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妊娠の仕組み

最初に、妊娠についての基礎知識として、妊娠の仕組みを説明します。妊娠の仕組みについて知っておくと、治療の経過などをご自身で理解でき、大変良いと思います。既に知識のある方は読み飛ばしていただいても構いません。


 

妊娠の仕組みはとても複雑で、どれか一つでもうまくいかなければ妊娠することはできません。
妊娠の仕組みを理解することによって、今の検査で何を調べているのか、どこに問題があって、そのためにどんな治療が必要とされるのか見えてきます。

@ホルモンの分泌で卵胞が発育する。

 ┗女性の性周期は、生理が来るとスタートします。脳の下垂体からLH・FSHという、卵巣をコントロールするホルモンの分泌が始まります。その刺激により、卵巣の中にある卵子の元となっている細胞、原始卵胞が毎周期約20個発育を始めます。
成長をはじめた卵胞のうち、左右どちらかの卵巣の一個の卵胞だけが成長を続けます。これを主席卵胞と呼び、残りの卵胞は、しぼんでいきます。主席卵胞が成熟するまでの期間は、約14日間です

A発育・成熟した卵胞の中から卵子が飛び出る。

 ┗首席卵胞が20o前後にまで発育して、中の卵子も十分成熟すると、脳の下垂体から、LHというホルモンの分泌がさかんになります。この刺激をうけて、主席卵胞の皮を突き破り、中から卵子が飛び出る、つまり排卵という現象が起こります。
排卵後、ぬけがらとなった卵胞は、黄体に変化し、プロゲステロンという妊娠するために必須のホルモンを分泌し続けます。


B飛び出た卵子を卵管が拾い上げる。

 ┗排卵された卵子は、自然に卵管の中に入るわけではありません。卵管が独自の機能で動き、卵管の先端(卵管采)が排卵された卵子をひろいあげるのです。これをピックアップと表現します。
ピックアップされた卵子は、卵管の中を子宮の方へと送られ、卵管の太くなった部位で精子がやってくるのを待ちます。

C子宮の中に精子が入ってくる。

 ┗排卵の頃には、卵巣から分泌されるエストロゲンというホルモンの働きにより、子宮の入り口あたりから粘液が分泌されます(頸管粘液)。この粘液は、性交渉時に精子が子宮の中にあがってくるのを助けるはたらきがあります。
この時期に性交渉があれば、膣の中に射精された精子は、子宮の入り口あたりから分泌される粘液の中を通り抜けて、子宮の中に入ります。この粘液を通り抜ける時に、精子は液体部分(精液の大部分をしめる精しょう)から離れて、動きが活発になり、受精に必要な能力(受精能)を持つのです。

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D卵管で卵子と精子が出会い、受精する。

 ┗子宮に入った精子は、しっぽのような尾部を動かして泳ぎ、卵管に入ります。卵管の太くなった部分(卵管膨大部)まで泳いできた精子は、卵子と出会います。
しかし、小さな卵子のまわりにむらがることが出来るのは、膣内に射精された数億の精子のうち、たった60個程度。そのうちたった1個の精子だけが卵に突入します。精子の先端で卵の膜をやぶり、遺伝情報をもった核といわれる部分が卵の中に入り込むと、卵の膜が閉じてしまい、もう他の精子は中に入ることが出来ません。

E受精卵は、細胞分裂を繰り返しながら子宮へ送られる。

 ┗卵の中に入った精子は、しっぽのような尾部がとれて「受精」が始まります。
卵子の核(女性側の遺伝情報を持った部分)と精子の核(男性側の遺伝情報を持った部分)が、一つになると新しい細胞が生まれます(接合子)。
受精卵という一つの固まりの内部で、一つの細胞が2つに分かれ(2細胞期)、2つの細胞が4つに分かれ(4細胞期)、4つの細胞が8つに分かれ(8細胞期)、8つの細胞も同様の細胞分裂をしますが、16細胞期とは言わずに、ここから先4日目ごろの受精卵を桑実胚、5〜7日目ごろを胚盤胞と呼びます。
以上のように細胞分裂を繰り返しながら子宮へと送られていきます。

F子宮の内側の膜の中に、受精卵がもぐりこむ( = 着床)。

 ┗子宮の内側の膜のことを子宮内膜とよびます。この内膜は、ホルモンの影響を受けて卵胞が発育するときに、同時に厚みを増していきます。排卵後は、受精卵がもぐりこみやすいように分泌変化をおこし、受精卵の到着を待ちます。
受精後5〜7日目に桑実胚から胚盤胞になった頃、子宮に到着した受精卵は子宮内膜にもぐりこみます。これを着床とよびます。
この着床の時期、つまり排卵から7日目前後には、黄体のはたらきがピークになり、妊娠に欠かせないプロゲステロンというホルモンの分泌もさかんになります。

G着床から一週間後、妊娠反応陽性

 ┗ 着床した受精卵は、引き続き細胞分裂を繰り返しながら、胎児成分と絨毛成分にわかれていきます。絨毛成分は、たんぱく分解酵素を出して、子宮内膜の中へ根を張るようにどんどん侵入して胎盤を形づくります。
同時に、絨毛細胞はHCGというホルモンを分泌して、黄体のはたらきを維持します。
着床から一週間以降には、このHCGが尿に排泄されるために、尿中のHCG成分を感知して妊娠反応が陽性になります。
ただし、尿検査だけでは正常妊娠か異常妊娠(子宮外妊娠など)の判別ができないので、産婦人科の受診が必要になります。

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