妊活にできることや妊娠中の注意点

子供が欲しいと考え始めた時、すぐに病院や不妊治療に進むことに抵抗を感じる方も少なくありません。
「まずは自分たちでできることはないかな」と思うのは、とても自然なことです。
「妊活中にしてはいけないことや、避けたほうがいい食べ物はあるの？」「妊娠率が上がる方法って何かあるのかな」「実際病院に行ったらどれくらいお金がかかるんだろう」など、妊活を始めるにあたっての疑問はさまざまです。

今回は、妊活を始めようと考えている方やカップルに向けて、男女それぞれが意識しておくべきや、気になる点を解説します。

妊活中にできること【男女別】

妊活を始めるにあたって、まず自分達でできることにはどんなことがあるのでしょうか。

男女別にまず行ってほしいことをご紹介します。

【女性】

1. 食事に気を付ける

妊娠中は避けるべき食べ物（生肉やアルコールなど）があります。妊娠初期は妊娠に気付きにくいため、妊活中から気を付けましょう。バランスの良い食事は、妊活を進める上での体づくりにとても大切です。

2. 適正体重を維持する

痩せすぎ・太りすぎは、妊娠に重要なホルモンに影響を与え、排卵しにくくなったり妊娠後の流産、早産や妊娠高血圧症候群・妊娠糖尿病など合併症のリスクが高まります。

3. 葉酸を摂取する

妊娠1か月前からの摂取が推奨されています。葉酸は赤ちゃんの脳や脊髄を形成するのに必要な栄養素です。

4. ストレスと上手に付き合う

ストレスを避けることはできませんが、過度のストレスは妊活に悪影響です。上手に付き合う方法を見つけましょう。

【男性】

1. 下半身を温めすぎない

精子を作る精巣は熱に強くありません。睾丸を温めすぎると精子形成に影響が出る可能性があります。締め付けの激しい下着を避けたり、長時間座り続けるのは精子にとって悪影響です。

2. 亜鉛を摂取する

精子形成に重要な栄養素です。食事やサプリメントで積極的に摂取しましょう。

【男女共通】

禁煙

喫煙していると、非喫煙者と比べて妊娠までの時間がかかると言われています。
妊娠中、出産後も赤ちゃんへの健康リスクにつながります。
また、副流煙も悪影響しかありません。妊娠を考えたら、男女とも禁煙する必要があります。

医療機関での検査にかかる費用

妊活を始めるにあたり、まず自分の体の状態を知っておくのは大切です。
病院で検査をし、自分にどんなリスクがあるのかを知ることで、妊娠への最短ルートを考えることができます。

保険適用内で受けられる検査の一例をご紹介します（3割負担の費用）。

女性

・ホルモン検査：約2,000円

・甲状腺：約1,200円

・クラミジア抗体：約1,100円

・通水検査：約7,000円

・超音波検査：約1,600円

・AMH(体外受精の方のみ)：約2,200円

男性

・精液検査：約310円

※病院によっては、自費で様々な検査を行っているところもあります。

妊活で注意すべきことや健康な体を作るポイント

健康な体づくりは、妊娠への第一歩。以下のポイントを意識してみましょう。

① 適切体重を維持する

BMI[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗] 18.5以上25未満が適正体重です。
痩せすぎ・太りすぎは妊娠に重要なホルモンに影響を与え、排卵しにくくなったり妊娠後の流産、早産や妊娠高血圧・妊娠糖尿病など合併症のリスクが高まります。

② バランスの良い食事を心がける

1日3食、規則正しい食事を心がけましょう。
たんぱく質や野菜など、さまざまな栄養素を意識的に撮ることが大切です。特定のものだけ食べる、逆に特定ものを絶対に取らない、といった極端な食生活は、栄養の偏りにつながることもあります。
毎食のバランスを意識しながら、無理のない範囲で継続できる食習慣を目指しましょう。

③ 禁煙する

喫煙は男女とも妊娠率を下げます。
女性の場合は卵子の質に影響し、男性の場合は精子の数や運動率を低下させると言われています。また、妊娠中の喫煙や受動喫煙は、早産や低出生体重児のリスクを高め、さらに出産後も、赤ちゃんの乳幼児突然死症候群にも関連すると言われています。
喫煙本数によっては使用できない薬もあります。「妊娠したらやめよう」と考える方もいますが、妊活中から出産後まで、喫煙による影響は長く続きます。なるべく早いタイミングで禁煙することをおすすめします。

④ アルコールを控える

過剰なアルコール摂取は、不妊症のリスクになります。
WHOは、妊娠を目指す期間や妊娠中における「安全な飲酒量」は明確ではないとしています。
また、米国生殖医学会によると、アルコール1日2単位（缶ビールや缶酎ハイ500mL1缶＝1単位）以上で、不妊症の確率が上がると発表しています。過量の飲酒は避けた方が良いでしょう。

⑤ 適度に運動する

週150分程度の有酸素運動を意識しましょう。ウォーキングやヨガなど、心拍数が上がりすぎない運動がおすすめです。

⑥ ストレスをコントロールする

ストレスは現代社会を生きていく上で完全に避けることはできません。
しかし、過度のストレスは妊娠の妨げになる可能性があるため、上手に向き合うことが大切です。
気分転換になる趣味やリラックス法を見つけたり、パートナーや友人、医療関係者などに相談するのも良いでしょう。
また、良質な睡眠をとることも新味のバランスを整え、妊娠しやすい状態づくりに良いとされています。

⑦ 感染症のチェック

母子感染に関連する感染症にはB型肝炎、C型肝炎、梅毒、HIV、風疹などがあります。
特に風疹は、妊娠中に感染すると赤ちゃんに先天性風疹症候群（白内障、難聴、先天性心疾患など）を起こすことがあります。妊娠してからワクチンを接種することはできませんので、妊娠を考えたら早めに抗体を調べ、低い場合はワクチンを接種しましょう。
パートナーの方も抗体が低い場合はワクチンを接種しましょう。
また、クラミジア感染症は卵管閉塞などを起こし妊活に影響が出ることがあります。男女とも症状が出にくいことも多く、知らないうちに感染していたり、パートナーにうつしてしまうこともあります。

⑧ がん検診を受ける

年に1回子宮頸がん検査を受けましょう。妊活を考える20代後半から増える癌ですが、早期に診断、治療ができれば、妊娠・出産も可能です。

⑨ 生活習慣病のチェック

高血圧や糖尿病などの持病があると、不妊症の原因となるだけでなく、妊娠後も重篤な合併症を起こすことがあります。
これらの病気が適切にコントロールされていない場合は、まずは病気を落ち着かせてから妊活を始める場合もありますし、治療に制限が出ることもあります。

⑩ 自分や家族の病気を知っておく　

生活習慣病以外にも、不妊症や妊娠中に大きな影響を与える疾患があります。
例えば甲状腺機能低下症は流産率に影響するという報告があります。
また、その他にも慢性疾患など持病がある場合には、妊娠への影響について主治医と相談しておくことが重要です。

⑪ 毎日400㎍の葉酸を摂取する

妊娠する1か月前からの摂取が推奨されています。
妊娠を考え始めたら意識して摂取しましょう。葉酸は赤ちゃんの脳や脊髄を形成するのに必要な栄養素です。特に妊娠初期は細胞分裂が活発に行われる時期のため、葉酸が不足すると「神経管閉鎖障害」（二分脊椎や無脳症）といった先天異常が起こる可能性があります。

生理と基礎体温の関係性

基礎体温とは、食事や運動などの影響を受けていない、安静な状態で測った体温のことです。
毎朝、起きてすぐ口の中で計測するのが基本です。
正常な基礎体温では、卵胞が育っていく時期の「低温期」と排卵後の時期の「高温期」に分かれ（二相性と呼びます）、二相に分かれていると排卵している可能性が高いと考えます。適切な期間低温期や高温期が続いているか、体温に差があるかを見ていくことで、その周期が排卵しているか・無排卵か、あるいは妊娠の可能性があるかなどを判断する指標になります。
基礎体温を測ることで、自分が排卵しているのかしていないのか、いつ頃が妊娠しやすいのかなど、自分の体調やリズムを知る助けになります。
基礎体温がすべてではありませんが、おかしいなと思ったら病院に相談するきっかけにもなります。ストレスにならない程度に、毎日の習慣に取り入れてみましょう。

妊活の不安は専門医師に相談しよう

妊娠は、実は複雑なプロセスを経て成立するものです。
検査検査だけでは原因がわからないケースも多く、生理が順調で特に不調が見当たらなくても、必ず妊娠できるとは限りません。

「子どもを持ちたい」と思ったそのときが、相談のタイミングです。
不妊治療の専門医であれば、これまでの妊活の経過や検査結果、パートナーとのご希望などを総合的にふまえて、あなたにとって最適なステップを一緒に考えていくことができます。

妊活のご相談は松本レディースIVFクリニック

当クリニックは、「赤ちゃんが欲しいのになかなか授からない」と悩んでいらっしゃる方のための不妊治療専門クリニックです。

妊娠希望のある方に、家族計画に基づいて妊娠に向けてのアドバイス・治療を行います。

1999年の開業以来、これまで、不妊で悩んでいた多くの方々が妊娠し、お母様になられています。

▼当院の特徴についてはこちら

https://www.matsumoto-ladies.com/about-us/our-feature/

まとめ

今回は、妊活を考えた時にまずできることについて解説しました。

生活習慣を見直し、改善できそうなところは少しずつ取り入れてみましょう。無理なくライフスタイルを変えていければ、妊活はもちろん、将来妊娠した時や出産する時に、自分や赤ちゃんのリスクを減らすことができます。
また、妊活を考えたら、自分たちの体を知っておくのも非常に大切です。気軽に専門の医師にご相談ください。