
妊活を始めると、まずは生活習慣を整えようと意識する方が多いでしょう。食事、睡眠、ストレス管理など気になる点はさまざまですが、中でも「お酒は飲んでもいいの?」というご質問をよくいただきます。
「妊活中の飲酒は絶対NG?」「時期や種類によってはOK?」「どうしてもお酒を飲みたくなったらどうしたらいいの?」といった疑問に、医学的な知見を踏まえてお答えします。
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目次
妊活中はお酒を飲んでも大丈夫?
妊活中は、アルコール摂取は「控えめに」が基本です。過剰な飲酒は不妊症のリスクになります。
・スウェーデン・ストックホルムの調査では、1日2杯以上飲む女性は、1日1杯以下の女性より妊娠率が約0.64倍に低下。
・一方で、デンマークでは赤ワインを適量飲む女性の方が妊娠までの期間が短いというデータも。
・イタリアでは、飲酒の有無で妊娠率に差がないという結果も。
こうした結果は人種や体質によって異なり、「この量なら安全」と明確に言い切るのは難しいのが現状です。ただし共通して言えるのは、「過量の飲酒は避けた方がいい」ということです。
生理中から排卵前など妊娠の可能性が低い時期に、適量であれば大きな問題にはならないとされています。ただし妊娠中は、安全な飲酒量は存在しないため、妊娠の可能性がある時期から控えるのが安心です。
妊活中に注意すべきその他の飲み物
①カフェイン
カフェインの過剰摂取は、妊娠中に赤ちゃんの発育へ影響を及ぼす可能性があります。妊活中も常識の範囲内ならOKでも、摂りすぎはよくない、という報告もあります。妊娠した後の生活も意識して、カフェインレスの生活に慣れておくと良いでしょう。
コーヒーは1日2杯までが目安です。
②市販の加糖飲料
暑い季節にはイオン飲料をゴクゴク飲んだり、ビタミン補給を目的に野菜ジュースやフルーツジュースを選ぶこともあるかもしれません。でもこれらの飲み物には意外と多くの糖分が含まれています。
糖分の多い飲み物をとると血液中の糖分(血糖値)を急激に上げ、それを下げるためにインスリンというホルモンが過剰に分泌されます。こうした血糖値の乱高下が続くと、膵臓が疲弊して次第にコントロールがうまくいかなくな理、インスリンを分泌しても血糖値が下がらなくなる「インスリン抵抗性」を引き起こします。
このインスリン抵抗性は、糖尿病のリスクだけでなく、不妊にも深く関わっているとされています。飲み物はなるべく糖分を抑えたものが良いでしょう。
妊活中におすすめの飲み物
① カフェインの入っていないもの(麦茶など)
カフェインは少量であれば摂取しても問題ありませんが、コーヒーやお茶などさまざまな飲料に含まれているため、知らず知らずのうちに過剰摂取になることがあります。
その点、麦茶はカフェインが含まれておらず、カルシウムや鉄分、カリウムなどのミネラルが豊富で、安心して飲むことができます。
② ハーブティー
香りがよく、リラックス効果の高いハーブティーもおすすめです。
ただし、妊娠中には注意が必要な種類もあります。例えば、ローマンカモミール、アロエ、シナモン、サフラン、タイム、ナツメグなどは、妊娠中は避けた方がよいとされています。とはいえ、少量を一度飲んでしまったからといって、すぐに影響が出るわけではありません。スパイスとして料理に使用されるものもありますが、一般的な調理で使う程度であれば問題ないとされています。
③ 野菜ジュース
妊活中に摂りたい栄養素の一つに葉酸があります。葉酸を多く含む果物や野菜(イチゴ、アボカド、マンゴー、パセリ、ホウレンソウなど)をフレッシュジュースとして摂取するのもおすすめです。ただし、市販の野菜ジュースは糖分過多のものが多いので要注意。
妊活中に葉酸の摂取がおすすめの理由
葉酸は、赤ちゃんの脳や脊髄の形成に欠かせない栄養素です。特に細胞分裂が活発になる妊娠初期に不足すると、「神経管閉鎖障害(二分脊椎や無脳症)」といった先天異常が起こる可能性があります。
そのため、妊娠を望む方には、妊娠の1か月前以上からの摂葉酸取が推奨されています。妊娠を考え始めたタイミングで、意識的に摂取しましょう。
葉酸はブロッコリーやキャベツ、ほうれん草などの緑黄色野菜に多く含まれており、日々の食事に取り入れやすい栄養素です。必要に応じて、サプリメントで補うことも検討するとよいでしょう。
妊活中でも飲めるお酒はある?
一般的に、1日のアルコール摂取の適量は20gとまでとされており、週に2日は休肝日を設けることが推奨されています。
お酒1単位(純アルコール約20g)の目安量:
・ビール(アルコール度数5度): 中びん1本 500ml
・日本酒(アルコール度数15度):1合 180ml
・焼酎(アルコール度数25度):0.6合 約110ml
・ウイスキー(アルコール度数43度): ダブル1杯 60ml
・ワイン(アルコール度数14度): 1/4本 約180ml
・缶チューハイ(アルコール度数5度): 1.5缶 約520ml
※ストロング系チューハイはアルコール度数が9〜13%と高めなので、注意が必要です。
上記を参考に、適量を摂取するように心がけましょう。
また、カクテルは甘くて飲みやすい反面、アルコール度数が高いものも多く、知らないうちに過剰摂取してしまうこともあります。
加えて、上記はあくまでも目安であり、代謝能力にはかなり個人差があります。特に日本人は遺伝的に代謝能力が低い方が多いため、飲みすぎにはご注意を。
妊活中にお酒を飲みたくなったときのときの対処法
① 妊娠の可能性がない時期に飲酒を楽しむ
排卵前後や体外受精における胚移植後など、妊娠の可能性がある時期は飲酒を避けましょう。妊娠中の飲酒は「胎児アルコール症候群」のリスクを高め、胎児の脳や身体の発達に影響を与える可能性があります。例えば、学習能力の低下や記憶障害、低身長・低体重などの発育障害が報告されています。
そのため、生理中や生理直後の妊娠の可能性がない時期や、不妊治療中の方は妊娠の可能性がない周期にお酒を飲むようにし、妊娠がわかったらすぐに禁酒しましょう。
② ノンアルコールに変える
最近では、ノンアルコールビールやノンアルコールカクテルなど、アルコールが含まれていなくてもお酒に似たような味を楽しめる飲み物が多く登場しています。飲めない時期や飲みすぎたな、という時はうまく取り入れてみましょう。
③ 早めの時間に飲む
「お酒を飲むと眠くなる」という方は多いかもしれませんが、アルコールは睡眠の質を下げる原因になります。睡眠の質が悪くなると、ホルモンバランスの乱れにつながり、妊娠からも遠ざかります。寝る直前の飲酒や、寝るための飲酒は避けましょう。
④ おつまみや締めを控える
お酒を飲むと、ついおいしいおつまみや締めの料理が欲しくなる…そんな方も多いのではないでしょうか。少量であれば問題ありませんが、アルコールの影響で食欲が増し、つい食べ過ぎてしまいがちです。その結果、カロリーオーバーになりやすくなります。 さらに、お酒を飲むと肝臓がアルコールの分解を優先するため、糖質や脂質の代謝が後回しになり、エネルギーとして使われなかった分は脂肪として蓄積されやすくなります。
こうした体重増加は、排卵機能に影響を与える可能性もあるため、妊活中は注意が必要です。
妊活を意識する時期には、糖質やカロリーを抑えたおつまみをとるようにしましょう。
妊活のご相談は松本レディースIVFクリニック
当クリニックは、「赤ちゃんが欲しいのになかなか授からない」と悩んでいらっしゃる方のための不妊治療専門クリニックです。
妊娠希望のある方に、家族計画に基づいて妊娠に向けてのアドバイス・治療を行います。
1999年の開業以来、これまで、不妊で悩んでいた多くの方々が妊娠し、お母様になられました。
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まとめ
今回は、妊活とお酒の関係について解説しました。
妊活を始めたら「絶対に飲酒はダメ」というわけではありませんが、飲酒の量やタイミング、アルコールの種類には気を付ける必要があります。
また、自分の体がお酒に強い・弱いといった体質の個人差も大切なポイントです。お酒に弱い方が無理に飲むことも、強いからといって大量に飲むことも、体や妊活に良い影響は与えません。
妊活中はパートナーと協力して進めるもの。お互いにお酒との付き合い方を見直し、支え合える関係を築いていきましょう。