
不妊治療において、現在最も妊娠率が高い治療法とされているのが体外受精です。体外受精では、採卵によって卵子を採取し、精子と受精させた後、受精卵(胚)が発育し、胚移植を行うことで一連の治療が完結します。
この体外受精の最後の肝となる胚移植の際には、いくつかのオプション治療がが提示されることがあります。その一つが「アシステッド・ハッチング」です。
「アシステッド・ハッチングとはどのような治療なのか」「自分に必要なのか」「どのような方法で行われるのか」「リスクはあるのか」など、疑問を感じる方も多いでしょう。
ここでは、アシステッド・ハッチングの概要から適応となるケース、方法の種類、注意点までをわかりやすく解説します。
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目次
アシステッド・ハッチング(Assisted hatching:AHA)とは
アシステッド・ハッチング(Assisted hatting:AHA)は、日本語では「補助孵化(ふかほじょ)」と訳されます。
受精卵は「透明体」と呼ばれる殻のような膜に包まれていますが、この透明体の一部をレーザーや薬剤によって薄くしたり開孔したりすることで、胚が外へ出やすくする処置を指します。
「Hatch(孵化)」を「assist(補助する)」することからAssisted hatching(AHA)と呼ばれています。
不妊治療では現在も様々な検査・治療が行われていますが、妊娠のプロセスは非常に複雑で、体内で起こっているがすべて現象が解明されているわけではありません。胚移植を繰り返しても妊娠に至らない「着床不全」の方の中には、胚が透明体からうまく孵化できていない可能性があるのではないかと考えられるケースがあります。
本来、透明帯は受精の際に精子が何匹も侵入する多精子受精を防ぐ役目をし、受精後は分裂する細胞を保護する役割を担っています。しかし、着床の段階ではこの透明帯が破れて胚が外に出る必要があります。
この孵化が十分に起こらない場合、着床に至らない可能性があると考えられています。
理論的には、胚の孵化は着床に不可欠な過程であり、そのプロセスを補助することで妊娠率の向上が期待できるのではないかと考えられ、現在では多くの施設で行われています。
アシステッド・ハッチングと行うケース・向いている人
アシステッド・ハッチングの適応については、透明帯の厚さや形態、胚のグレードや発育段階、凍結融解の有無、患者さんの年齢や不妊歴など、さまざまな要素を踏まえて検討されます。どのような症例に効果があるかについては、議論が続いています。
その中でも、比較的効果が期待できるとされているのは、次のようなケースです。
①年齢が高い方
②凍結融解胚移植を行う場合
③これまでに複数回胚移植を行っても着床に至っていない場合
これらに当てはまる方は、透明帯が硬くなっている可能性があり、アシステッド・ハッチングが有効かもしれません。
アシステッド・ハッチングの方法の種類

アシステッド・ハッチングには、いくつかの方法があります。
① 透明帯切開法(zona dissection)
胚を固定し、マイクロピペットを用いて透明帯を穿刺・貫通し、固定用ピペットに擦り合わせるようにして透明帯を切開します。
② 透明帯開孔法(zona opening)
③ 透明帯菲薄法(zona thinning)
④レーザーによるアシステッド・ハッチング法(laser assisted hatching: LAH)
レーザーを照射して透明帯の処理を行う方法です。
現在では、多くの施設で④のレーザーによるアシステッド・ハッチング法が採用しています。
関連リンク:https://www.matsumoto-ladies.com/medical-treatment/ivf-2/
アシステッド・ハッチングのリスク・課題
アシステッド・ハッチングのリスクとして、一卵性の双子(一卵性双生児)の発生率が上昇する可能性が指摘されています。自然妊娠における一卵性双生児の発生率は0.4%程度とまれですが、アシステッド・ハッチングによってその可能性が上がるという報告があります。
一方で、先天異常のリスクが上昇するという報告はありません。ただし、胚に人為的な操作を加えるため、非常にまれではあるものの、胚を損傷する可能性はゼロではありません。
また、新鮮胚移植では妊娠率や生産率が低下したという報告や、凍結融解胚移植においても妊娠率の明確な改善が認められなかったという報告もあり、現時点では確率したエビデンスが十分にそろっているとは言えない治療でもあります。
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まとめ
今回は、胚移植時のオプションとして選択されることのあるアシステッド・ハッチングについて解説しました。
現時点では、すべての症例に有効であるという確立したエビデンスは十分ではありませんが、高齢の方や凍結融解胚移植の症例においては、比較的多く行われている方法ではあります。
これまでに複数回胚移植を行っても着床に至らない場合など、透明帯の硬化が関与している可能性が考えられるケースでは、一つの選択肢として検討されることもあります。
適応については、ここの状況によって異なるため、詳しくは医師と相談することが大切です。