『射精道』という本をご存知でしょうか?泌尿器科医である今井伸先生の著書で、武士が刀を扱う掟『武士道』があるように、男子たるもの陰茎を扱うための掟『射精道』があるというユニークな切り口から、射精について深く考える一冊です。
ここではここでは射精障害の原因や症状、治療方法について詳しくご紹介します
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目次
射精障害とは?
射精障害の方は「精液が出ない」「射精に時間がかかる」「すぐ射精してしまう」といった悩みを抱える方が多く来院されます。
精液が出ない原因は、無射精症、逆行性射精、オルガズムがないなどが原因となり、射精に時間がかかる場合は遅漏、すぐに射精してしまう場合は早漏と呼ばれます。
射精障害が起こるメカニズム
射精は、精管内容物(通常は精子を含む) と前立腺液および精囊液がともに後部尿道に流出され、精液が膀胱内へ逆流するのを防御するため内尿道口が閉鎖します。これと同時に外尿道括約筋が開き、精液が外尿道口から体外へ射出されます。射精障害はこの何処かに問題が起こることで、精液が尿道から出てこないことで生じます。
代表的な原因は以下のとおりです。
・糖尿病による神経障害
・手術による神経損傷(特に下腹神経や腰内臓神経)
・性的興奮の不足
・薬剤の副作用
*下腹神経は精管内圧の上昇、前立腺の収縮、内尿道口の収縮に関係している神経です。
射精障害の種類
逆行性射精
射精時、精液が尿道の先端の方向ではなく膀胱側に押し出されてしまう状態です。オルガズムは感じても精液が尿道から出ない、またはごく少量しか出ないことがあります。
精液の量が極端に少ない場合には、部分的な逆行性射精である場合もあります。通常の射精では膀胱側の尿道は内尿道括約筋により閉鎖しますが、糖尿病や神経が障害される疾患により、内尿道括約筋の閉鎖が起こらず、精液が膀胱内に押し出されます。
無射精症
尿道に精液が出てこない状態です。精液を作っている精のうや前立腺に問題があり、精液を作れない、または精液を出す部分が閉塞していることなどが原因です。
膣内射精障害
射精障害の中では最も多くみられるタイプです。マスターベーションでは射精できるのに、パートナーとの性交渉では射精できない状態です。性欲はあり、勃起挿入はできるけれど、膣内での射精ができない状態となります。近年男性不妊外来ではこのような方が急増しています。膣内射精障害の原因はマスターベーションの方法の誤り、排卵日を特定することによるプレッシャー、性的刺激を受ける対象が特殊な場合などがあります。
薬剤性射精障害
薬剤の投与により射精障害が起こることもあります。うつ病の治療薬である三環系抗うつ薬は射精障害だけでなく、勃起障害を起こすことでも知られています。また、同じくうつ病の薬である選択的セロトニン再吸収阻害薬は射精障害を起こしたり、前立腺肥大症の治療薬であるα1受容体遮断薬は逆行性射精や無射精になることがあります。
射精障害の原因・診断方法
逆行性射精
下腹神経の障害により起こることが知られています。下腹神経の障害により内尿道口の閉鎖が起こらず、尿道の精液が膀胱内に押し出されます。オルガズムと射精感があっても、尿道から精液が出てきません。マスターベーション後に排尿を行い、尿中の精子を確認することで、診断することができます。
無射精症
射精管の閉塞などで起こります。前立腺のMRIを撮影し、前立腺にミュラー管嚢胞などを認めると、射精管閉塞による無射精症の診断ができます。
膣内射精障害
強すぎる刺激でのマスターベーションが膣内射精障害の原因となります。強く握る、床に擦り付けるなどして射精をしている場合には、膣内の刺激では射精に至らないことがあります。マスターベーションの方法などを確認することで、診断することができます。
薬剤性射精障害
薬の副作用によって射精障害が起こることがあります。特に抗うつ薬(SSRIや三環系抗うつ薬)、前立腺肥大症の治療薬(α1遮断薬)などが原因として知られています。現在服用している薬と症状の関係を確認することで、診断の手がかりとなります。
射精障害の治療方法
原因により治療方法は変わってきます。
逆行性射精
内服治療により内尿道括約筋を閉鎖することができれば、順行性に射精することができます。また、稀ではありますが、膀胱内の精子を回収し利用する方法もあります。
無射精症
閉塞の原因を特定し、閉塞を解除することができれば射精が可能となります。
膣内射精障害
近年膣内の環境を模したマスターベーターを用いたリハビリが治療として有効であると報告されています。マスターベーションを行う際に、強い刺激のものから弱い刺激のものへ移行させていくことで膣内での射精ができるようになります。
薬剤性射精障害
原因となる薬剤を中止することで射精可能となりますが、原疾患の治療が優先されますので、必ず担当医との相談が必要になります。
射精障害で妊娠できる確率は?
どのような原因により射精障害になっているかによりますが、精子を回収することができれば、回収した精子を用いた不妊治療により妊娠することは可能です。もちろん自然に射精できるようになれば、自然妊娠も可能です。
松本レディースIVFクリニックは男性外来も受け付けています
当院ではお子さまを授かるための大切な射精機能をサポートしています。排卵のタイミングに合わせた射精は、心身ともに負担がかかることもありますが、大切な日により良い精子を届けるために、専門の男性外来でサポートを行っています。
まとめ
射精障害は多くの方が悩んでいる一方で、パートナーにも打ち明けられず一人で抱えてしまうケースも少なくありません。決して恥ずかしいことではないので、一人で悩まず原因を突き止めることで適切な治療をすることができます。まずは一歩を踏み出しましょう。