
かつては全額自費で高額だった体外受精も、現在は保険適用の対象となり、費用面のハードルは大きく下がりました。
とはいえ、「実際にいくらかかるのか」「平均的な費用はどの程度なのか」「自分たちでも支払えるのか」といった具体的なイメージが持てず、不安を感じてステップアップを迷われている方も少なくありません。
今回は、体外受精の基本的な流れとあわせて、費用の目安や内訳にについて詳しく解説します。
池袋駅 東口から 徒歩3分
働きながら、通いやすい。
最善の手段が選べる妊活を。
松本レディースIVFクリニックは、
最新のテクノロジーを駆使し、
短期での妊娠成立を目指す、
すべての人に最適な
妊活を提供します。
目次
そもそも体外受精とは?

体外受精とは、女性の卵巣から卵子を採取し、精子と受精させた後、受精卵(胚)を培養し、発育した胚を子宮へ戻して着床を促す治療です。体の外で受精を行うことから「体外受精」と呼ばれます。
大まかな流れは以下の通りです。
A) 卵巣刺激
内服薬や注射で卵巣を刺激し、複数の卵子を育てます。
B) 採卵
腟から針を刺し、卵巣内の卵子を採取します。
C) 受精
精子の状態に応じて、体外受精(ふりかけ法、シャーレの中に採取した卵子と調整した精子を置き、自然に受精をさせる)、または顕微授精(針で卵子の中に精子を注入する)を行い受精させます。
D) 胚培養
受精した受精卵(胚)を培養器の中で育てます。
E) 胚凍結
受精後3日目、または5・6日目の時点で育っている胚を凍結します。
F) 胚移植
凍結した胚を融解し、子宮へ戻します。
なお、排卵誘発をせず卵子の自然な排卵にあわせて採卵・移植を行う「自然周期」という方法もあります。
体外受精を選択するケース
主な適応は以下の通りです。
①機能性不妊
明確な原因がないものの、妊娠に至らない
②卵管性不妊
両側卵管の閉塞や切除がある場合
③一般不妊治療無効
タイミング法や人工授精で妊娠に至らない
④重度の男性因子
閉塞性無精子症など
上記に加え、女性側の年齢で制限があります。
①対象年齢
治療開始時の女性の年齢が43歳未満(男性側には年齢の上限はありません)
②回数
40歳未満:6回まで、40歳以上43歳未満:3回まで(胚移植1回の回数をカウントします。採卵回数は上限がありません。2人目の治療の際は回数がリセットされます。)
③婚姻関係
法的な婚姻関係または事実婚関係(同一世帯に住んでいる・子供を認知予定・配偶者無し)にある。
43歳以上や、回数を超えた分は保険適用とならず、自費診療となります。
体外受精の費用の相場
体外受精に費用は、刺激方法や薬の使用の有無、オプションや先進医療によって大きく変わりますが、およその目安は以下の通りです。
①採卵周期
保険:約8万〜20万円
自費:約40万〜60万円
②移植周期
保険:約4.5万〜5万円
自費:約10万〜20万円
③先進医療
数万円〜20万円程度(内容により異なる)
先進医療とは、保険と同時に併用できる特別に認められた高度治療(自費診療)です。
通常保険適用で治療を進める場合、自費との併用は認められておらず(混合診療の禁止)、自費の項目を併用する場合は、全ての治療を自費で行わないといけませんが、先進医療は混合診療の例外として認められています。
体外受精の治療項目ごとの費用
A) 採卵周期:約80,000~200,000円
| 採卵周期 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| ①採卵周期開始~ 採卵日決定 |
②採卵 | ③受精 | ||||
| 内訳 | エコー | 採卵料 | 9,600円 | 1:媒精 | 12600円 | |
| 1回目 | 1,590円 | 個数により下記加算 | 2:顕微授精 | |||
| 2回目 | 1,430円 | 1個 | +7,200円 | 1個 | 14,400円 | |
| (3回目) | 1,430円 | 2~5個 | +10,800円 | 2~5個 | 20,400円 | |
| 採血 | 1,770円/回 | 6~9個 | +16,500円 | 6~9個 | 30,000円 | |
| 10個以上 | +21,600円 | 10個以上 | 38,400円 | |||
| 1,2両方実施の場合 1の半額+2の金額 |
||||||
| その他、 再診料、 薬剤料、 管理料など | ||||||
| 採卵周期 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 内訳 | ④培養 | ⑤胚凍結保存 | ||||
| 初期胚培養 | 胚盤胞培養 | |||||
| 採卵翌日~受精した個数 | 胚盤胞培養へ移行の場合 | 胚凍結した個数毎 | ||||
| 1個 | 13,500円 | 1個 | 4,500円 | 1個 | 15,000円 | |
| 2~5個 | 18,000円 | 2~5個 | 6,000円 | 2~5個 | 21,000円 | |
| 6~9個 | 25,200円 | 6~9個 | 7,500円 | 6~9個 | 30,600円 | |
| 10個以上 | 31,500円 | 10個以上 | 9,000円 | 10個以上 | 39,000円 | |
| タイムラプス培養加算 30,000円(自費) | ||||||
| その他、 再診料、 薬剤料、 管理料など | ||||||
①採卵周期開始〜採卵日の決定
生理が始まると採卵周期がスタートします。およそ2週間の間に3〜4回通院し、超音波や採血でホルモン値や卵胞の発育を確認しながら、採卵日を決定します。
②採卵
採卵当日は基本となる採卵料がかかり、さらに採取できた卵子の個数に応じて追加費用が発生します。
③受精
卵子と精子を受精させる際にかかる費用です。 媒精には「ふりかけ法(体外受精)」と「顕微授精」があり、精子の状態やこれまでの受精状況に応じて選択されます。
顕微授精は、実施した個数に応じて費用が加算されます。
④培養
受精卵(胚)を培養するための費用です。受精した胚の個数に応じて料金が決まり、培養期間によっても異なります。
初期胚は受精後3日まで、胚盤胞は5〜6日目まで培養した場合の費用がそれぞれ設定されています。
⑤胚凍結保存
初期胚または胚盤胞として凍結した個数に応じて費用がかかります。
*凍結胚が残っている状態では、新たに採卵を行っても保険適用にはなりません(複数回に分けて胚を貯めることはできません)。
*将来の妊娠に備えて保存のみを目的とした採卵(すぐに移植を予定していないが、何年か後の妊娠のため凍結しておきたいなど)も、保険適用の対象外とになります。
B) 移植周期:約45,000円〜50,000円
| 移植周期 | ||||
|---|---|---|---|---|
| ①~移植日決定 | ②移植 | |||
| 内訳 | エコー | 移植 | 36,000円 | |
| 1回目 | 1,590円 | 加算 | ||
| 2回目 | 1,430円 | アシステッドハッチング | ||
| (3回目) | 1,430円 | +3,000円 | ||
| グルー | ||||
| +3000円 | ||||
| その他、 再診料、 薬剤料、 管理料など | ||||
①移植周期開始〜移植日決定まで
生理開始後、約2週間の間に2〜3回程度受診し、移植日を決定します。
②胚移植
発育した胚を子宮内に戻します。必要に応じて、アシステッドハッチングやエンブリオグルーなどのオプションが選択できます。
*採卵周期・移植周期いずれの場合も、上記の費用に加えて薬剤費や再診料、管理料などが別途かかります。使用する薬剤の種類や量は、個々の体質やその周期の状態によって異なります。
C) 先進医療
病院により、採用している先進医療およびその費用は異なります。
タイムラプス培養器
採取した卵子と精子が受精すると、受精卵(胚)は培養器の中で発育していきます。
従来の培養方法では、受精のタイミングや発育の状態を確認のために、胚を培養器から胚を取り出し、顕微鏡で確認する必要がありました。しかし本来、胚は卵管や子宮内という一定の環境で育つため、観察のたびに外へ出すことで、光・温度・酸素や二酸化炭素濃度の変化といった影響を受け、ストレスになる可能性があると考えられています。
タイムラプス培養器では、培養器の中に設置されたカメラによって、胚の発育過程を動画として連続的に記録することができます。そのため、外に取り出すことなく状態を確認でき、胚への負担を抑えながら観察が可能です。
このような環境により、より良好な胚へと発育する可能性が高まると考えられています。(当院の場合:3万円)
ERA(Endometrial Receptivity Analysis)検査
胚を移植しても、子宮内膜が常に受精卵を受け入れられる状態とは限らず、「着床の窓」と呼ばれる受け入れ可能な期間が存在すると考えられています。この着床の窓のタイミングには個人差があり、一般的なスケジュールで移植しても、最適な時期とずれていることで着床に至らない場合があります。
ERA検査では、実際の移植周期と同様のホルモン環境を再現し、本来移植する予定の日に子宮内膜の細胞を採取します。その遺伝子情報を解析することで、着床に適したタイミングかどうかを評価します。 もし着床の窓にズレがある場合は、その結果に基づいて移植日を調整することで、着床率の向上が期待されます。(当院の場合:15万円)
EMMA/ALICE(Endometrial Microbiome Metagenomic Analysis)検査
子宮内にはさまざまな菌が存在しており、善玉菌、悪玉菌、日和見菌(通常は特に影響はない菌)などが含まれます。
EMMA検査とALICE検査は、いずれも子宮内の環境を調べ、整えるための検査です。EMMA検査では、子宮内の善玉菌である乳酸菌の割合を調べます。乳酸菌の割合が高い方が妊娠率は高いと考えられており、割合が低い場合には、乳酸菌を補うサプリメントを使用して環境を整えます。
ALICE検査は、慢性子宮内膜炎の原因となる菌がいるかどうかを調べる検査です。慢性子宮内膜炎があると着床率が低下するとされていますが、自覚症状がないことも多く、炎症があっても検査をしなければわからない場合があります。炎症の原因となる菌にはさまざまな種類があるため、検査によって菌の種類を特定し、それに応じた抗生剤で治療を行います。(当院の場合:7万円)
*高額療養費制度
同じ月(その月の1日から末日まで)にかかった医療費が一定額を超えた場合、自己負担限度額を超えた分が後から払い戻される制度です。
あらかじめ高額になることがわかっている場合は、事前に「限度額適用認定証」を提示することで、保険適用内の医療費の支払いを自己負担限度額までに抑えることができます。 自己負担限度額は年収により異なります。認定証は加入している健康保険組合が発行するため、希望する場合は各健康保険組合へ確認してみましょう。
*先進医療の助成・生命保険
先進医療については、自治体によって助成金が出る場合があります。
また、ご自身が加入している生命保険で保障の対象となることもあるため、契約内容を確認しておくと安心です。
*生命保険(先進医療以外)
先進医療以外でも、加入している生命保険の内容によっては、不妊治療に対して給付金が支払われる場合があります。あわせて確認しておきましょう。
*医療費控除
1年間にかかった医療費が10万円(総所得金額が200万円未満の方は総所得金額の5%)を超えた場合、確定申告をすることで還付を受けられる制度です。
申告の際に領収書の提出や確認求められることがあるため、医療費の領収書はなくさずに保管しておきましょう。
体外受精の妊娠率はどれくらい?

これは、卵子の性質によるものです。卵子は精子とは異なり、胎児期に作られたものが一生使われるため、新しく使われることはありません。そのため、「自分の年齢=卵子の年齢」となり、年齢とともに卵子の質が低下していきます。
その結果、妊娠率は低下し流産率は上昇します。体外受精においても、この影響は避けられず、卵子の質を根本的に改善する確率された方法は現時点ではありません。
こうした背景から、妊娠を希望される場合は、できるだけ早い段階で治療を検討することが重要なポイントとなります。
体外受精のご相談は松本レディースIVFクリニックへ
当クリニックは、「赤ちゃんが欲しいのになかなか授からない」と悩んでいらっしゃる方のための不妊治療専門クリニックです。
妊娠希望のある方に、家族計画に基づいて妊娠に向けてのアドバイス・治療を行います。
1999年の開業以来、これまで、不妊で悩んでいた多くの方々が妊娠し、お母様になられています。
▼当院の特徴についてはこちら
https://www.matsumoto-ladies.com/about-us/our-feature/
まとめ
今回は体外受精の費用について解説しました。
保険適用となり自費の頃と比べ費用負担は軽減されていますが、それでも一定の費用がかかる治療であることに変わりはありません。
一方で、年齢が若いほど妊娠率が高いことも踏まえると、適切なタイミングでのステップアップが重要です。
また、高額療養費制度や医療費控除、生命保険などを活用することで、費用負担を抑えられる可能性もあります。利用できる制度を事前に確認しながら、納得のいく治療計画を立てていきましょう。